平塚のお祭り −その伝統と創造− (I)

 太鼓の曲目

平成17年夏期特別展図録 平成17年7月発行

 平塚の囃子太鼓は、革をぎりぎりまで締めた競り合いが盛んになる一方、笛・鉦と曲のレパートリーが失われていきました。競り合いでは笛を吹いてもあまり聞こえないためか、徐々に吹き手が絶えていきました。曲目には競り合いで叩く「ハヤシ」(屋台囃子)の他に、「宮昇殿」「治昇殿」「神田丸」「唐楽」「鎌倉」「仕丁舞」「印場」などの曲があります。「宮昇殿」と「治昇殿」は今も演奏されます。その他の曲は、競り合いでは弱くて負けてしまうのと、本来笛のリードで演奏していたために、次第に演奏機会が減りました。最近、こうした曲を復活させたり、他所から笛を習ったりして、鳴らし合いだけでなく、じっくりと聞かせるお囃子に取り組む動きもあります。