お祭り前の練習はだいたい2〜3週間前から開始し、盛んな所は毎晩のように集まる。太鼓の皮を伸ばして締めていく大事な期間でもある。練習時間は、夕飯後の19時〜21時ぐらいが多い。前半は小学生対象、後半は中学生以上と大人対象に分けている所もある。今は、子供の練習に時間を多く割いている。
練習方法は、ツケの打ち方を口で覚えることから始まる。「テンテレスクテン テンテケ」などと言う。「テン」は、一打だけ叩くこと。「テレ」「テケ」は二打続けて叩くこと、「スク」は休符だが、コバチといって細かい音を入れる際には叩くこともある。基本的にアイウエオの「エ音」は叩くという具合になっている。オオドは「ドンドンドコ」などで、「ドン」は一打叩き、「ドコ」は二打叩きである。 符丁を唱えながらバチを動かす。練習にはゴムタイヤ、竹竿、電話帳、胴から外した革などを叩く。音が出ず柔らかいゴムタイヤが一般的で、竹竿はバチを折ってしまうことがある。電話帳はガムテープでぐるぐる巻きにする。城所では塩ビパイプでゴムタイヤを叩く。 太鼓の順番待ちの間は、太鼓に合わせて電話帳などを叩いてリズムをとる。今の子供は覚えが早く、4.5日も練習するとだいたい叩けるようになるという。オオドの方が難しく、小学生高学年から練習する。 今は小学生から太鼓を始めるが、これは昭和50年頃からのことであって、それ以前は中学校を卒業し、青年会に入った頃から太鼓を始めた。子供は太鼓を叩くことはできなかった。それでも昔の子供は、生け垣や酒樽や藁縄などを叩いて遊びながら太鼓を覚えていった。今のように大人が教えてくれることはなかったが、耳で聞いて覚えていった。 |
電話帳を叩いて順番待ち(豊田打開木) 岸文雄氏提供 撮影 2004.9.20 タイヤを叩いて練習(入野) 吉川裕子氏撮影 撮影 2005.3.25 |