平塚・石仏めぐり-旧市内編- (4・旧平塚宿)

春日神社の石祠


春日神社の境内には小さな石の祠(ほこら)が7社まつられています。石祠は特別の場合を除いて、社名が彫られていたり、お札がまつられたりしていないと何をまつったものかは判りません。
春日神社の石祠には4社に銘文が彫られています。1社には「天保八丁酉年十二月 天[ ] 当寺現住本空代」とあり、さらに「再建主」として7人の名があります。1社には「天保十四卯七月日 疱瘡神石宮再建 願主加藤想左ヱ門 富當現住本空代」とあり、もう1社には「天保十四卯四月初巳日 弁才天石宮建立 願主當寺現住本空 松田清ヱ門 同清蔵」と彫られています。
7社の石祠のうち、1社は疱瘡神、もう1社は弁財天であるのがわかります。「当寺」「平塚山」というのは、春日神社の別当の広蔵寺(真言宗、現在廃寺)のことです。また、年号をみていくと天保8年から14年のあいだに建立されており、この数年の間に何かがあって再建または新造されたと考えられます。
春日神社境内にこれだけの石祠がまつられているのは、もともと末社や境内社としてまつられたり、明治初期の神社合祀などによって集められたと考えられます。

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