平塚・石仏めぐり-旧市内編- (4・旧平塚宿)

六十六部回国塔


この地区には六十六部回国塔とか単に回国塔と分類されている石塔が4基あります。これは大乗妙典といわれる法華経を66部造り、66カ所の霊場に納める目的で国々をまわったこと(または回っていること)を記した石塔です。
4基の回国塔のうち2基は薬師院境内にあり、他の1基は要法寺境内、もう1基は宝善院境内にあります。薬師院の回国塔は延享5年(1748)と明治24年の塔で、延享5年塔には上に円形に光明真言が梵字で彫られ、続いて「六十六部供養塔 延享五戊辰正月吉日 護持願主感月心入 世話人念仏講中」とあります。明治24年塔には、「奉納 大乗妙典六十六部日本廻国 維時明治廿四年十二月八日建立」と2人の願主名があります。要法寺境内の回国塔は、宝暦4年(1754)の銘をもつ兜巾型の文字塔で「奉納 六十六部供養造塔鏡誉圓□ 宝暦四甲戌年九月十五日」と彫られています。宝善院境内のは「ぼたもち地蔵」と呼ばれる地蔵の台座になっており、「奉納 日本廻国六十六部供養文化七庚午天神無月吉日 相□大住郡平塚宿 岡本勝右ヱ門事實圓」とあります。

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