稲荷には狐がつきもので、狛犬に石造の狐を建てたり、願かけに焼物の狐を奉納したりすることは、誰もが知っていることと思います。写真に掲げた狐の狛犬はごく一般的なものですが、須賀は稲荷信仰の盛んな地区だといえます。狐像は何ら特色がなくとも、さまざまな形でまつられている稲荷社には、大きな特色があります。
須賀には町内、町内の中の講中、さらに家ごとという3つのレベルでまつる稲荷社があります。西町、南町、北町ではそれぞれで稲荷杜を一社、仲町では出笹稲荷と仲町稲荷(港稲荷)の二社、横町では台町の稲荷と仁兵衛・勘平大門の稲荷の二社をまつっています。 町内の中の講中の稲荷としては、たとえば南町には海徳稲荷、翁稲荷、義森稲荷、福徳稲荷、由喜稲荷、報徳稲荷などがあり、それぞれ数軒から十数軒で講中をつくっています。家ごとの稲荷はこれらとは別に屋敷神としてまつる稲荷のことです。 一軒の家からいえば、家の稲荷、講中の稲荷、町内の稲荷の三段階の稲荷社をまつっているわけで、こんなに多くの稲荷社をまつるところは市内では他にありません。 稲荷社の祭りは、2月11日というのが一般的で、講中の稲荷の場合は講中の家々が集まって幟などを立てて飲食し、町内の稲荷では芝居や神楽などが行われました。 | |
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