四之宮字稲荷前に所在し、砂州・砂丘に立地しています。現在まで3地点調査が行なわれています。報告は第1地点まで、第1地点は8世紀前半の住居址から「大住厨」、8世紀後半の住居址から「国厨」の墨書土器が出土しています。第2地点でも「国厨」の墨書土器が1点出土しています。この土器は甲斐型の土師器坏の底部に墨書され、9世紀代1四半期のものです。第1地点とは南東約50m挟んだ129線の反対側に位置するが、第1・2地点の「国厨」の墨書土器は6点、国厨と判読される3点を合わせると9点になります。確実な6点の「国厨」の墨書土器の数は全国の国府遺跡や国府関連遺跡から出土する点数を上回るもので、出土した地点が国府外の国厨家の関連施設とは想定できません。国厨家の存在を当地点に当てるのは検討外れではないと考えます。 | |
稲荷前A遺跡_3号住居址 | |
稲荷前A遺跡_1号住居址出土の「国厨」墨書土器 | |
稲荷前A遺跡_1号堀立柱建物址 | |
稲荷前A遺跡_2号住居址遺物出土状態 | |
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