中原字厚木道に所在し、砂州・砂丘に立地しています。今までの調査で弥生時代後期と古代の集落が確認されています。砂丘での弥生の集落は本市初発見となった遺跡です。以後、砂丘や自然堤防で弥生中期や後期の遺構が確認されていますので、沖積低地を基盤とする農耕社会が展開していくようです。古代の集落は住居址を主体に、掘立柱建物址が若干検出されていますので、基本的に居住空間の場と考えます。遺物は墨書土器、緑釉陶器・灰釉陶器、金属製品、瓦等の特殊な遺物が多く出土しています。特に、第1地点(中原上宿遺跡のIII・IV・V区)のIII区では、「曹司」「井」の墨書土器、鉄製の「井」の焼印、IV区では9世紀の大型の井戸と8世紀の住居址群、第3地点の9世紀後半の火災住居址から出土した白彩緑釉陶器・緑釉陶器、灰釉陶器・須恵器等の多量の遺物、幼馬10頭分が廃棄された8世紀前半の第1土壙、第4地点では大型の掘立柱建物址などは大変注目される資料です。その性格は国府出先機関の一つと考えたいと思います。 | |
厚木道遺跡_全体写真 | |
厚木道遺跡_1号土壙 | |
厚木道遺跡_火災にあった3号住居跡 | |
厚木道遺跡_馬骨の中から出土した須恵器 | |
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