今夜遅く、22時過ぎから、月がプレヤデス星団(すばる)を隠す「すばる食」が見られます。
プレヤデス星団は昔から日本人に親しまれてきた天体(星の集まり=星団)です。下の画像は天体観察会会員の関谷育雄さんが撮影されたもの。肉眼でも、空が暗ければ(視力が良ければ)6~7個の星を見ることができます。
すばるは、空における月の通り道=白道に近いため、しばしば月に隠されます。ちょうど今年は昨年から2028年まで続くシーズンの真っ最中。今年は今夜以外にも8月17日、11月6日、12月31日と4回チャンスがあるのです。

【以下の記述は平塚市での場合です。他の場所では時刻が異なりますのでご注意ください。】
今夜の「すばる食」は、まず22時11分過ぎにおうし座16番星ケラエノ(5.5等星)が隠されます(潜入)。その後、22時19分過ぎに17番星エレクトラ(3.7等星)、22時27分過ぎに19番星タイゲタ(4.3等星)が、22時36分過ぎに20番星マイア(3.9等星)が、次々と隠されていきます。22時50分過ぎには22番星アステローペII(6.4等星)が、22時52分過ぎには21番星アステローペI(5.8等星)が隠される一方、22時58分過ぎにはエレクトラが“出現”します。そう、「すばる食」の醍醐味は、次々と星が月に向こう側に潜入しては出現することを見ることにあるのです。この後も隠されていた星が次々と出現する一方で、すばるの最輝星、25番星アルキオネを月がかすめるのですが、その頃には月の地平線からの高さが低すぎて見ることができなくなっているでしょう。そもそも最初の星が隠される時点で、月の地平線からの高さは20度弱しかありません。西~西北西の空が開けた場所で見るようにしましょう。そして月が明るいので、できれば双眼鏡を使って観察したいものです。かんたんなオペラグラスでもOK。

月の形(月齢)的にも時刻的にも非常に好条件である今夜のすばる食ですが、なんといっても天気が不安です。夕方には雨は止む予報ではあるものの、明日の天気も芳しい予報ではなく、正直言って絶望的です。
が、前述したように、今年は今日以外に3回「すばる食」を見るチャンスがあり、次の8月17日も好条件です。ただし見られるのは未明から明け方にかけて。夏の未明はとっても”早い”ですから、早起き(夜更かし?)が必要になります。今のうちから覚悟して(?)おきましょう(笑)
また日が近づいたら詳細をこの博物館日記でお知らせしますね。お楽しみに!