平塚市西部を流れる金目川は、河口付近では花水川と呼ばれます。その河床に露頭(地層が露出しているポイント)があるとの情報をいただき、調査に行ってきました。
非常に水位が低かったこの日、川底にはわずかに岩場が見えていました。近づいてみるとまるで泥山のようですが・・・
ハンマーで表面を叩いてみると、中は鮮やかな緑色!
溶岩のかけらや軽石など、火山噴出物が海底に堆積して押し固められてできた火山砕せつ岩の地層でした。同様の岩石は高麗山から千畳敷山(湘南平)周辺にも分布し、高麗山層群(約1800~1200万年前)と呼ばれています。
緑色なのは、岩石をなす火山ガラスなどが熱や圧力で変質して微小な緑色の鉱物になってしまったためと考えられます。このような鮮やかな色は風化によって失われてしまいますが、この露頭は川底であったために風化が弱く、非常に新鮮なのが特徴的でした。
高麗山層群は1000万年前以上の海底に堆積した堆積物が、プレート境界で本州側に付加した付加体だと考えられていますが、詳しいことはまだ十分明らかにされていません。
博物館ではこれらの地層の調査を、市民の皆さんとともに進め、平塚周辺の大地がどのようにしてできたかを少しずつ明らかにしています。