中勘助が平塚に居住して、今年で100年になります。

中勘助の平塚時代の随筆を「しづかな流(ながれ)」といい、その随筆の中には多くの鳥のエピソードが含まれます。今回の展示では、「鳥づくし」という詩を特にピックアップしました。

展示の様子、全景。はく製が手前に、壁面に写真が展示されている。

「鳥づくし」

わしがこけきてきいたみた鳥は
雀からすににわとりやおいて
雲雀ひよどり鶸ほととぎす
かへる雁がねとんでくる燕
ちちろ頰白るり四十雀
あ ほうほけきよ ほうほけきよ
百舌に椋鳥よたかにつぐみ
川で鵜の鳥海では鷗
山の木のまでぴつぴりぴはこーまどり
さつさ かつこかつこ ありや閑古鳥
五位はきょんきょん葭きりやがーちやがちや
しまひにつんでる鳩ぽつぽ

大正14年5月25日

中勘助は現在の龍城ヶ丘、浜岳中学校の近くに住んでいました。当時は人は多くなく、松林と砂浜の続く場所でした。そこに様々な鳥が訪れていたことがわかる詩です。

「わしがこけきてきいたみた鳥は」から始まるように、「しづかな流」では鳥の鳴き声についての記述も多くみられます。

今回の展示では野鳥観察グループ「こまたん」のご協力も得て、「鳥づくし」に登場する鳥を音声でも紹介しています。

2階情報コーナーで2025年1月13日(月・祝)まで展示しています。ご来館をお待ちしております。