昨夕、博物館の屋上からきれいな細い月(と金星)が見えていました。月はこれからどんどん満ちていき、16日(土)には満月に。そしてこの満月、あの藤原道長が見上げ「この世をば」と詠んだ望月と”同じ”月なのです。
当館で今年5月~7月に投影した一般向けプラネタリウム番組「月を詠み、星を綴る 王朝文学に刻まれた月と星」にも登場した「この夜をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも 無しと思へば」の歌。藤原道長が、自身の娘(三女)の中宮立后が決まった、その祝いの席で詠まれたものです。このとき、道長は未曽有の「一家三后(太皇太后・皇太后・皇后がすべて道長の娘が占めた)」を成し遂げ、権勢の絶頂にありました。時は寛仁二年十月十六日(1018年11月26日)。そして今年2024年の11月16日も陰暦十月十六日なのです。陰暦の日付が同じであれば必ず同じような月が見られる、とは限りませんが、今年の11月16日の月と寛仁二年十月十六日の月はほぼ同じ。つまり私たちはこの夜、千年の時を超えて道長が眺めたのと同じ月を見上げることができるのです。
というわけで、2024年11月16日(土)に、ぜひ皆さんで月を見上げようというキャンペーンを行います。題して「道長と同じ月を見上げよう!」。その夜、月を見たら、ぜひ「見たよ!」ということを、ハッシュタグ #道長と同じ月を見上げよう をつけてSNSで共有してください。月はスマホなどでも簡単に撮影できますから、撮れた人は写真も添えて!かんたんな解説ポスターと参考資料もつくりました。どちらもリンク先からダウンロード可能です。
2024年11月16日、月を見上げ、ぜひ日本中の人たちと、そして千年前の人たちとつながりましょう!