平塚市博物館の活動テーマは「相模川流域の自然と文化」です。
その相模川の源流のひとつが富士山の東にある山中湖。
ですので、澤村は、山中湖に彗星の姿を求めて来ました。ここも開館以来当館の活動フィールド。しかも彗星は太陽系の「起源」を記憶する天体。
ええ、こじつけではありません、決して。
(コンデジ SONY DSC-RX100M3 + 三脚 で撮影 以下同じ)
左から金星、富士山、紫金山-アトラス彗星、アルクトゥルス(うしかい座)、です。
彗星が撮れるのはこの日はせいぜい30分くらい。空が暗くなれば、彗星も沈んでしまいます。
湖畔には人影も絶え‥風も凪いで
薄明が薄れてくると、驚いたことに、湖面に彗星が映っています。逆さ富士と、逆さ彗星。
注意深く見つめると、写真だけでなく目でも真っ暗な水面にほのかな彗星の影が揺れていました。
彗星の高度が低いことを考えれば、山上や峠での撮影がセオリーです。湖は、星を見る場所としては天候リスクもやや高めです。実際、このあと、あっという間に一面の雲になりました。
彗星は肉眼で5~10度くらいの尾が伸びて見え、まさに勇姿は富士に匹敵するほどでした。
子どものときに見た大きな現象が天文の世界に入るきっかけになった方は少なくないでしょう。この彗星がまた誰かの探求の源になることを、願ってやみません。
翌日は直前に雲が切れて、ほんのちょっとの間、姿を見せてくれました。
晴れてくださり、どうもありがとうございました。
なおこのあたりにはパノラマ台という展望の景勝地がありますが、11月まで工事中で駐車場も使えません。高所から観望された方々は、この前後ちょうどダイヤモンド富士もあわせて狙える三国峠にいらしたようです。