太陽を背後を回り込んで夕方の空に現われるようになった紫金山・ATLAS彗星。当館の学芸員も撮影に成功しました。

紫金山・アトラス彗星が夕方の空に見えるようになったのは、おおむね10月12日から。博物館の屋上から富士山とのツーショットを狙いたかったのですが、10月12日は雲に阻まれ、それらしき姿を捉えることはできませんでした。まだまだこの日は日没後1時間の時点での彗星の地平線からの高さが低く、難しいかなとは思っていたのですが、日中は良い天気だった(下画像)ので期待していたんですけどね。

そしてリベンジを狙った翌13日。都合により塚田学芸員、藤井学芸員ともに博物館屋上ではない場所で撮影に臨みましたが、無事に長く尾を伸ばした彗星の姿を捉えることができました。藤井学芸員は市内で撮影。総合公園のナイターの明かりをものともしない立派な姿が写っていますね。

塚田学芸員は見晴らしの良い場所を求めて海辺へ。湘南海岸公園の東の端、新江ノ島水族館近くのデッキで撮影しました。相模湾が眼前に広がり、金星や平塚~小田原の夜景などとともに彗星の姿を写真に収めることができました。あ、この日記冒頭の写真も塚田学芸員が撮影したものです。

彗星は、宇宙の旅人と言われます。太陽系の天体は、その多くが太陽のまわりを公転しているわけですが、彗星は一度太陽に近づいたあと、そのまま宇宙の彼方へ飛び去ってしまうものが数多くあります。彗星との出会いは一期一会なのです。

晴れさえすれば、まだしばらくは彗星の姿を楽しむことができます。だんだんと暗くなっていくので今後は肉眼で見つけられないかもしれませんが、双眼鏡を使えば見つけられるでしょう。天気予報を睨みつつ、ぜひチャレンジしてみてください。当日記の10月4日の記事もぜひ参考にしてくださいね。
また当館のワーキンググループの一つ、天体観察会会員の皆さんからも続々と紫金山・アトラス彗星の写真が寄せられていますので、また別途ご紹介します。