X(旧Twitter)に伊香保温泉で撮った紫金山-アトラス彗星(C/2023 A3)の写真をUPしました。が、伊香保に行ったのはプライベートで、彗星が目的だったわけではありません。

しし座うみへび座と紫金山-アトラス彗星
2024年10月2日4時39分
撮影地:伊香保温泉

もちろん温泉、もですが、ミッションの第一は、近くにある水澤寺というお寺にお参りして、写したお経を納めさせていただくことでした。

水澤観音仁王門

水澤寺は坂東三十三観音の第十六番札所です。ご本尊は千手観音。
本堂の他に、6体の地蔵尊を納めた六角堂という県指定文化財の建築物があります。この地蔵堂は6体が回転する構造。参拝者が横木を押して、祈願しつつ回します。まさに六道輪廻。

本堂(奥)と六角堂(手前)

さて、六角堂と写真手前にある十二支本尊の石像の間を奥に進むと、こんな石仏が‥

如意輪観音(二臂)の石仏

角柱にレリーフされた如意輪観音像ですが、側面にはこのようにあります

二十一夜念佛供養塔

「二十一夜念佛供養塔」。これは二十一夜の月待塔なのです。
月待は、人々が集まり、月の出を拝して祈願する行事でした。十九夜、二十三夜、二十六夜などが行われ、神奈川で二十三夜、二十六夜の月待塔を多く目にしてきましたが、二十一夜の塔に出会うのは初めてで、まことに光栄---お参りさせていただいたのはもうひとつ、この石仏に会いたかったのです

二十三夜は勢至菩薩を本尊としますが、十九夜、二十一夜は如意輪観音を本尊にします。
塔には、寛政十年当村講中の銘がありました。江戸時代の造立です。
この地の方々、その当時の方々は、二十一日の月をどんな思いで眺めたのでしょう。お念仏に何を祈願したのでしょう。
そして、かたや月は、たったひとりで、古代から今に至るまで、どれだけの人の思いを眺めてきたことでしょうか‥

10月1日4時36分
月と彗星(画面右下)

彗星は肉眼では見えませんでしたが、前日(10月1日)も写真に写りました。いや正直いえば写真にも写るとは思っていなかったので、恥ずかしながら狼狽してしまいました。そのときは細い優美な月が赤城山から昇っていて、微笑んだように思われました(彗星に露出合わせたので満月みたいになってしまいました、ごめんなさいお月さま)。