みなさんこんにちは。学芸員の福田です。タイトルの通り、今日はお月見のお供えの団子を盗ります。

現在1階の相模の家では、お月見のお供えの展示をしています。
秋の果物や、里芋、豆腐、ご飯とみそ汁が供えられています。
お月見には団子は欠かせませんね。平塚市内のお月見のお供えにも団子は必ず供えられました。

お月見のお供えの様子(平塚市山下)

お月見のお供えは、お月様に向けてのものなので、このように家の縁側など外に面したところに設えられました。

平塚市内では、戦前まで「団子盗り」といって、地域の子どもたちが連れ立って各家に供えられている団子を盗りに行きました。

団子”盗り”ですから、

こんな風にのこのこと来て団子をとっては、家の人にばれてしまいます。

そこで使ったのが、

私が1枚目で持っていたこの道具です。

この道具は竹の先に釘などがつけてあり、団子を刺すことができるようになっています。

これを使って、家の垣根などにそーっと隠れて団子を盗りました(写真の私は隠れていないのですぐにばれます)。

盗れました。

さて、いくら隠れている、といっても子どもがやっていたことですし、各家の大人たちもかつてやっていたことですから、子どもが来て盗っている、ということは大人たちはわかっています。
ですが、それを叱ったりすることはありませんでした。

お月見のお供えは、お月様のためのもの。
なので、お供え物がなくなったということは、お月様が召し上がったので縁起がいいこと、と考えていたのかもしれません。

団子盗りは、戦中の食糧難や、戦後に学校から「盗む」という行為が道徳的に良くないのでやめるよう言われたことなどから、現在では行われていません。

相模の家のお月見の展示は、10月末までやる予定です。
団子盗りの道具は展示していませんが、ぜひ見に来てください!

平塚のお月見についてより詳しく知りたい方は、5分でわかる平塚学入門「平塚のお月見と団子盗り」の動画をご覧ください!