昨夜(2024年5月17日20時45分過ぎ)、しし座のσ星(シグマ星)が月に隠されるという現象が起こりました。
月が恒星を隠す現象を「星食」といいます。昨夜、日本各地で見られたのはしし座σ星の星食。しし座σ星は4.1等星という何の変哲もない星ですが、肉眼でも見える明るい星の星食は、そう頻繁に起きるものではありません。そして、昨日は偶然「星を見る会」が行われる日でした。
しし座σ星が肉眼で見える明るさの星であるとはいえ、さらに明るい月に隠されるわけですから、残念ながら星が隠れる様子を肉眼で見ることはできません。しかし、望遠鏡では覗いている一人しかその瞬間を堪能することができません。そこで「星を見る会」の観望用とは別に望遠鏡を用意してカメラを取り付け、その映像をプロジェクターで壁に映して皆で見る方法がとられました。
しし座σ星が月に隠されるのは20時46分過ぎ。「星を見る会」も終盤といった頃でした。空にはかなり薄雲が広がっていましたが、残っていた何人かの参加者の皆さんと、星が月に”食べられる”瞬間を見守ることができました。月が明るく雲がかかっていたこともあって星の像がぼやけてしまいましたが、それでも星がフッと消える瞬間を皆さんも楽しめたのではないでしょうか。
実は今年は、いくつか見やすい星食が起こる年。12月25日クリスマスの日の未明にはおとめ座の1等星スピカが月に隠されるスピカ食が起こります。その数日前には月が土星を隠す土星食も。明るい星の星食は肉眼でも楽しめます。次の機会にはぜひ、皆さんも星食を堪能されてはいかがでしょうか?