博物館文化祭もいよいよ終盤です。2月24日は講堂で1年の成果を報告する、活動報告会が開催されました。今年は4つのワーキンググループから4名が発表しました。

文化祭実行委員会の一人、古文書講読会の三好 寛泰さんによる開会あいさつで始まりました。

発表のトップバッターは、引き続き古文書講読会の三好 寛泰さんによる『幕末・明治の「助郷」について』です。古文書講読会は、館蔵古文書をグループで講読し、様々な歴史を探っています。助郷は江戸時代から諸街道の宿駅を結ぶ伝馬制度で、明治維新期に行き詰まり、陸運会社創設へ向かいました。三好さんは大変作りこまれたスライド使いながら、その時々の政治に翻弄された助郷の歴史を、わかりやすく解説されていました。

次は石仏を調べる会の中島 大士さんによる『活動概要』です。石仏を調べる会は、石仏を軸に調査研究や展示、出版物、教育普及活動など、博物館全体の事業を支えています。今年度は展示と報告会の両方のテーマを、初心者でも楽しみやすい庚申塔に設定しました。中島さんはときどき画像を拡大させながら、1つ1つの庚申塔が持つ表情を詳しく解説されていました。

ちょっと休憩したあとは、聞き書きの会の露木 正巳さんによる『「記憶をつないで」第5集について』です。聞き書きの会は、市内に長くお住いの方から小さいころの体験談を聞き取って、語り言葉で冊子にまとめる活動をしています。露木さんは4人の方の聞き取りを紹介され、聞き取らなければ残ることのなかった、きびしい時代に暮らしながらも逞しく生きた人たちのエピソードを、ユニークに話していらっしゃいました。

最後の発表は民俗探訪会の平田 明日香さんによる『中原・御殿の稲荷神社』です。民俗探訪会は野外を歩き、その地域の習俗などを学んでいます。今年度は小グループで探訪の企画や現地の案内を分担しながら見学・調査を行ってきました。今回の発表テーマは、家の敷地に祀られている屋敷神です。平田さんは中原・御殿の屋敷神について、文献調査にとどめることなく、実際に現場を歩いて聞き取り、事実を地道に積み重ねる調査手法で、分布や傾向を丹念に調べ上げました。

最後に浜野館長から閉会のあいさつがあり、各発表の素晴らしかったところや面白かったところをまとめました。来年度もぜひ、たくさんのワーキンググループの方に参加いただきたいです。よろしくお願いいたします。