昨日2022年11月8日、月が地球の影に入り欠けていく月食、しかも月全体が地球の影に入る皆既月食が見られました。
平塚で月食が見られるのは、計算上は2021年11月19日以来およそ1年ぶり。しかし、そのときは博物館では天候に恵まれず見ること撮ること叶いませんでした(市内で撮影できたところはありました)。その前は2021年5月26日……この日も平塚では暑い雲に阻まれ月の居場所すらわからないほどでした。平塚で最後に月食が見られたのは、2018年1月31日以来のことでしょう。
新型コロナウイルス感染症の拡大状況が読めなかったこともあって、博物館では一般の方向けの月食観察会は断念せざるをえなかったのですが、博物館のワーキンググループの一つ、天体観察会の会員有志が博物館屋上に集まって、各々テーマを決めて観測をすることになりました。もちろん我々学芸員も撮影に挑みます。屋上には明るいうちに機材が並べられました。
そして日が暮れ、会員も徐々に集まり、月もほのかに暗くなり始め、観測開始。急遽、NHKや神奈川新聞の取材も入り大わらわとなりました。
今回は、皆既月食の最中に天王星が月に隠される天王星食も起こりました。皆既月食中の惑星食は1580(天正八)年以来442年ぶりのこと。しかも、次に見られるのは2344年!今を生きる誰もにとって一生に一度のチャンスです。天王星が隠される瞬間、しっかりと撮影することができました。下の画像は潜入直前の天王星。動画は平塚市博物館公式Twitterで公開しています。ぜひご覧ください。
終始好天に恵まれた今回の月食。屋上に集まった天体観察会会員各位も、それぞれ成果をあげられたことと思います。この成果は来年2月に開催予定の博物館文化祭で発表予定。ご期待ください。
そして次に平塚で月食が見られるのは2023年10月29日。しかし、これはあまり大きく欠けない部分食で、しかも起こるのが未明です。今日のように比較的見やすい時間帯に月食、それも皆既月食が起こるのは2026年3月3日のこと(皆既月食自体は2025年9月8日も見られます…深夜から未明にかけてですが)。しばらく先ですが、また楽しみに待つことにしましょう。