秋期特別展「神奈川の大地 -1億年の記憶-」の関連事業として、野外観察会を実施しました。

今回は、生命の星・地球博物館の田口学芸員を特別講師としてお招きし、山北町谷峨周辺に露出する地層や化石などを観察しました。

谷峨の酒匂川と、その支流である河内川沿いには、約100万年前のプレート境界付近に堆積した足柄層群と呼ばれる地層がみられます。今回観察したのは、足柄層群最上部を構成する塩沢層で、プレート境界が埋め立てられつつ隆起し、海から陸の環境になる直前の地層です。浅い環境に生息するカキなどの化石が密集しているのが観察できました。

↑河内川沿いの足柄層群塩沢層の露頭。

また、河内川と酒匂川本流の合流地点では、河原の石を観察しました。

河内川は丹沢山地を源流としますが、酒匂川本流は富士山の裾野に端を発して、箱根と丹沢の間を流れてきます。このため酒匂川本流と河内川とでは川原の石の種類が違っており、両者の合流点においては見た目の違う河原の石が混ざる様子が観察できるのです。

↑酒匂川と河内川の合流地点付近で河原の石を観察。

すこし肌寒かったものの、天気にも恵まれ、良い観察会になりました。