先日は、今年度に入ってから3度目の民俗探訪会での野外活動を行いました。
昨年度と今年度のテーマは「地域の変貌」です。そのために明治や昭和の地図と現在の地図を照らし合わせてみたり、写真を使って過去と現在の比較をしながら歩いてきました。
今回歩いたのは、北金目から真田です。ここは平成10(1998)年~平成27(2015)年に実施された区画整理事業によって大きく景観が変わっています。
これは北金目北久保中北の道祖神です。平成7(1995)年に博物館で撮影をした写真です。
区画整理前は農家の広い屋敷と林、畑が広がり、上の写真のように辻では道祖神がそっと地域を見守っているような場所でした。現在では、大きい道路が敷かれ新しい家が立ち並び、スーパーなどもできて当時の風景からは想像もつかない光景となっています。
さて、区画整理で辻に佇んでいた道祖神はどうなっているでしょうか。
ありました!ありますが……本当に同じ道祖神なのかと思うくらい佇まいと周りの状況が変わっています。ちなみに、立っている場所は最初の写真とほぼ変わっていません。
「この地に永久保存する」と記されています。
北金目、真田の道祖神は建てられている場所や周りの景観こそ大きく変わっていますが、地区ごとの道祖神はなくなってはいません。
ちなみに今回は北金目に長年住んでいる会員の方がいらっしゃいましたので、数か所説明をお願いしました。
学芸員はその地域を知るためにいろいろ勉強をしますが、民俗学の場合は特に、その地域にずっと住んでいる人が一番の先生になるのです。