開催中の企画展「作家中勘助の詩を詠む日々と平塚の自然」のこぼれ話。
展示では地図のみ紹介した現在の平塚海岸地区。
中勘助が生活をしたエリアはほぼ浜岳中学校の校区です。
時々買い物に平塚新宿や須賀港に足を運びました。
展示ではスペースの関係もあり、現在の写真は過去と比較できる4枚だけ。
こちらは展示では使わなかった、花水小学校の南側を通る路です。
中勘助が平塚に住んでいる時に書いた日記体随筆「しづかな流(しずかなながれ)」内でもこの路はよく登場します。
「左は広い砂原、それをこえてみえない海の音がきこえる。右は小松の林人影もない。その間を平らな芝草の路が幾町かまっすぐに通って、そのさき遥かに足柄、箱根、伊豆の山山がみえる。清く、静かに、爽やかである。 (大正15.1.某日)」
交差点の向こう、右手に見える松(クロマツ)は菫平南公園。
この路の当時の写真は残っていませんが、「しづかな流」の記述から当時の様子を知ることができます。