2月17日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられたX線天文衛星ASTRO-H“ひとみ”は2月29日にクリティカル運用期間(衛星の太陽電池パドル等の展開、姿勢制御機能、冷却システム立上げ完了、EOB伸展及び衛星を追跡管制する地上系設備の機能の確認など、衛星の一連の健全性を確立するまでの期間)が無事に終了し、観測に向けての準備を進めていましたが、3月26日に衛星からの電波を正常に受信できなくなり、現在まで衛星の状態を確認できない状況が続いています。

平塚市博物館では、藤井大地学芸員が屋上で“ひとみ”の光学観測を行い、夜空の中を動いていく同衛星を撮影することに成功しました。

動画は3月30日20時24分に撮影された“ひとみ”の様子です。画面の右下から左上へ移動していきます。短時間で変光している様子から、高速で回転していることが分かります。インポーズされた時刻は世界時です。

いまだに、このような状況に陥った原因は不明のようです。無事に復旧することを願っています。今後も平塚市博物館では必要に応じて“ひとみ”の光学観測を行っていく予定です。

撮影機材:WAT-902H2Ultimate+50mmF0.95(GPSアンテナで得られた時刻をタイムインポーズをしています)