博物館のプラネタリウムが、この11月から、4Kレーザープロジェクターにバージョンアップしました。より明るくクリアな映像の投影が可能になって、ドーム映像をご紹介する講座「プラネタリウムの現在進行形 ドーム映像を味わおう」を、2020年1月から開催します。
プラネタリウムは20世紀初め、ドイツに誕生した光学機器ですが、現在では、デジタル技術の登場で、投影において様々な実験的な試みが行われ始めています。そのため近年、プラネタリウムのドーム空間は、新たな空間体験の場として《ドームシアター》とも呼ばれるようになっています。
進化する《ドーム映像》の大きな魅力と可能性は、視野のすべて(360度)がスクリーンとなること で、見る者に圧倒的な「没入感」を引き起こし「体感型」の理解を促すことです。たとえば、祭や演劇・舞踊などの「臨場感」を記録する媒体として、また天文や物理、数学など抽象的な世界を理解する仲介として、そしてまた純粋に、新しい視覚体験を探るアート創造の場としてなど、その映像表現は、様々な方向へ広がり展開し始めています。
この講座では、現場で活躍する3名の講師をお呼びして、レクチャーと映像で、最新のデジタル表現技術である《ドーム映像》の魅力を体感していただきます。
初回は、元平塚市博物館館長の鳫講師が概論として、プラネタリウム映像の発展の歴史と、現在どのような映像表現の実験が、試みられているかをお話します。
第2回目は、映画「HAYABUSA」の上坂監督が、天文、数学、物理など、実際には見られない世界を可視化するドーム映像の力を語ります。来年2月公開予定の映像「HAYABUSA2~REBORN」に込めた想いも伝えていただきます。
最終回である第3回目は、映像作家の飯田講師が、ドーム空間でのアートとしての映像表現の可能性を語ります。没入感と浮遊感のあるドーム空間の特性を活かし、映像で「身体という存在」を再発見し、体感するという試みを行っています。
博物館の4Kレーザープロジェクターによる美しい映像を楽しみながら ドーム映像への理解を深めていただくこのプログラム、12月17日がお申し込みの締切り日です。多くの方のご参加をお待ちしております。