手作りの小箱からこぼれ落ちたのは、小さな、小さな色鉛筆たちでした。現在開催中の《新着資料展~民俗・歴史》には、長い間無人だったお宅から、タイムカプセルを開けるように出てきた品々が、展示されています。

 子どものおもちゃも、たくさん残されていました。この色鉛筆は、学校で使っていたものでしょうか。よく見ると、おしりが削られて「イソベセツコ」と書かれています。小さな子どもの手だからこそ、この短さになるまで使えたのでしょう。

 子供が成長する時間を一緒に過ごしてきた色鉛筆は、その役目を終えたあとも、大切にしまわれていました。そして今、小さな鉛筆たちは、モノとしての大きな存在感を、展示室で放っています。