休館中の博物館ですが、野外行事は予定通り行っています。
9月19日、民俗探訪会で大和市の深見神社と深見・瀬谷地域の民俗文化財を訪ねました。
昨年度開催した特別展「四之宮前鳥神社」展をきっかけに、相模國内の延喜式内13座を順々に訪ね、古社とそれを支える地域の民俗を学びを深めるのがねらいです。
深見神社では、山口権禰宜様から次のように神社の歴史をご説明していただきました。深見神社はクラオカミ、タケミカヅチ、タケミナカタの三神を祀っています。元々の祭神はクラオカミでしたが、江戸時代に鹿島神宮を勧請してタケミカヅチを主祭神とし、クラオカミは境内のお稲荷様へ遷されました。このためかつては深見神社を鹿島様と呼ぶ人もあったそうです。明治42年、深見村の諏訪神社を合祀し、タケミナカタが祭神に加えられました。そして平成24年に当初の祭神であるクラオカミが本殿へ戻され三柱になりました。深見神社の社殿は南向きに建てられていますが、明治9年の焼失以前は現在の稲荷社のあたりへ東向きに建てられていたそうで、東側の鳥居が表参道だったことなどを教えていただきました。
深見・瀬谷地区では石造物もたくさん見ることができました。平塚市に比べて多いと感じたのは地神塔の数。それと養蚕信仰の石造物。かつて平塚市域よりもはるかに養蚕が盛んであった土地柄を表していました。
探訪のフィナーレは、瀬谷の曹洞宗徳善寺の尾崎正善住職に、お寺や地域の歴史を説明していただきました。ご住職は曹洞宗総合研究センターの講師も務めていらっしゃる方で、深い見識と体験にもとづくお話は興味が尽きませんでした。
次回の民俗探訪会は、10月17日に藤沢市打戻の宇都母知神社を訪ねます。