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−平塚の街でみられる地球の歴史−
凝灰岩類3 (大谷石)
▲ 大谷石(坂本石) 軽石質凝灰岩 | ▲ 最もよく使われている大谷石の石塀 |
栃木県宇都宮市大谷町坂本産 | 平塚市平塚3丁目 |
宇都宮層群大谷層, 中期中新世 | |
大谷石は宇都宮市大谷町一帯に産する灰緑〜青緑白色の緑色凝灰岩(軽石質凝灰岩)で、石塀などに最もよく使われている石材です。耐火性・耐震性・耐熱性・加工性に優れており、日本の建築用軟石の代表として有名です。丁場は数多くあり、産出量が豊富で、産出場所により、岩原石(荒目)・坂本石(細目)・田下石(細目特上)・立岩石・寺沢石・戸室石・多気石等があります。粗目・細目・白目・青目等があり、中間層が細粒で白目を産します。 この大谷石は中期中新世の宇都宮層群大谷層に属します。大谷層は宇都宮市北西に東西4km・南北6kmに分布しており、南北性で東へ緩く傾斜し、300m程の厚さがあります。海底火山の噴火により堆積した流紋岩質軽石塊と同質の火山灰からなります。緑泥石などの緑色の鉱物を多量に含むため、緑色を呈し、グリーン・タフと呼ばれます。下部100mは商品価値が低く、中部185mが最も採掘され、上部 30mが上質で、最上部は無価値とされます。大谷層中の軽石はしばしば変質して、みそと呼ばれる、暗緑〜暗褐のモンモリロナイト等の粘土鉱物を生じ、さらに風化すると凹穴になります。 |
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▲大谷石の採石場跡 | ▲大谷石(田下石)地下採石場 |
栃木県宇都宮市大谷 | 栃木県宇都宮市田下町 採石場 |
大谷石の歴史は古く、天平13(741)年に国分寺石塔に使用され、810年には大谷観音が掘られたと言われます。以前は露天掘りでしたが、現在では坑内掘が行われています。昭和40年代後半には80万トンを越える最盛期となり、採石場は100箇所を越えましたが、現在では30数箇所に減少しています。採石跡の地下空洞は、貯蔵やコンサート等に空間利用されています。塀や門柱等の壁材・建築用・土木用・彫刻加工用の他、一部は化学肥料に使われています。 | |
▲大谷石の灯籠 | ▲大谷石の石塀 |
平塚市寺田縄 吉詳院 | 平塚市花水台 |
スケールバーは1cm |
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