12 宿場のくらし



●宿場のくらし
 東海道の宿駅が発展した背景のひとつに、寛永 12年(1635)に制度化された諸大名の参勤交代があります。これにより、東海道の交通量が増大し、街道や宿場が整備され、出稼ぎ、商用、寺社参詣などを目的とした庶民の旅もおこないやすくなりました。
 とくに近世後期になると、伊勢参宮を中心とした周遊型の旅行が盛んとなり、旅行者による「道中日記」が書かれるとともに、名所・旧跡や旅での注意事項を記した名所案内書や旅行指南書が刊行されるようになりました。また、良心的で優良な旅籠が加盟する「浪花講」や「三都講」などの旅籠組合も結成されました。
 こうした民間の手による情報や組織が庶民の旅を支え、本来、幕府の公用交通のために整えられた街道や宿場などの交通制度を、庶民にも利用しやすいものへとしていきました。

道中日記


宿内軒別畳数坪数書上帳(宿並帳)

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