広川字五領ケ台にある縄文時代中期(約5000年前)の貝塚で、大磯丘陵の最東端に張り出した舌状台地に位置し、東と西の斜面に貝層が認められています。地元郷土史家森照吉と武相学園の石野瑛氏が発見し、早稲田大学西村正衛氏、慶応大学の江坂照輝弥氏、神奈川県教育委員会など計8回の調査が行われています。貝塚から出土した土器は五領ケ台式土器」と設定され、中期初頭の基準資料と位置づけされました。文様は細線文(細い沈線文)と三角印刻文を基調として帯縄文の一群(縄文細線文土器)と半裁竹管による集合沈線文の一群(集合沈線文土器)の二系統に大別されるのが特徴です。出土した資料は貝類23種、哺乳類12種、爬虫類1種、石器、土錘、骨格器、土器等があり、特にダンベイキシャゴ、クジラ、イルカ、石錘が多く出土しているのが特徴です。貝塚は縄文人の生活を再現できる貴重な遺跡であるとともに、黒曜石の交易を考える上にも重要な位置を占めています。昭和47年に国指定史跡となり、現在史跡公園として市民に活用されています。 | |
五領ヶ台貝塚_史跡公園・昭和47年国指定史跡 |
|
五領ヶ台貝塚_五領ヶ台式土器深鉢 |
|
五領ヶ台貝塚_北裏C式土器鉢 |
|
五領ヶ台貝塚_黒曜石を使った石器 |
|